ここは、チャオプラヤー・スカイ・パーク(Chaophraya Sky Park)。行きかう人々が自然と空を見上げるのは絶妙になだらかなスロープがもたらす効果。小高い丘に立つようにして遠くを見渡せば、目の前に広がるのは豊かなるチャオプラヤー川の流れと新旧バンコクの名建築が織りなす綾模様。30年以上の長きにわたり鉄道廃線としてそこに眠り続けていた巨大インフラが、バンコク都民の憩いの場として復活を遂げたのは、折しもコロナ禍で人々が希望を見失いつつある2020年6月のことだった。かつてあった、ラバリン・スカイトレイン計画の夢の跡かつてバンコク旧市街が交通の要衝だった時代、1980年代に持ち上がったラバリン・スカイトレイン計画で建設されたプラポックラオ橋は、同鉄道計画のサパーンプット線のハイライトとも言える存在で、バンコク旧市街の中心地ラタナコーシン島とトンブリー地区との往来を円滑にするはずのものだった。しかし、カナダのSNC-ラバリン社(現アトキンス・リアリス社)と、当時のプレーム・ティンスーラーノン首相との間で進められていたスカイトレイン計画は、最終的には政治介入によって白紙となる。そして、チャオプラヤー川に跨るプラポックラオ橋中央車線に当たるその橋は以後30年以上の長きにわたり、何も役目を与えられることなく、未完の夢の跡として、メモリアルブリッジ(サパーンプット)のすぐ隣りで眠り続けた。チャオプラヤー・スカイパークとして復活した今となっては、そのメモリアルブリッジの撮影スポットとして写真家たちに愛されているのもおもしろい。橋の上を交差する二本の歩道夢の跡と化してしまった鉄道廃線橋に転機が訪れたのは2015年。バンコク都庁とチュラロンコーン大学の主導で始まった都市再生プロジェクト、バンコク250の一環として、すっかり遺跡の様相を呈していた廃線橋に白羽の矢が立つこととなる。きっかけは、「プラポックラオ橋を、地域の子どもたちが川を渡って通学できる橋にしてはどうか?」との地元住民の声だった。橋の上を二本の歩道が交差しつつ、上下の勾配をもあわせ持つ特徴的なデザインは、すぐ隣りに建つメモリアルブリッジの曲線から想を得たと言われる。チャオプラヤー・スカイパークの上を走る二本の歩道は、一方の歩道が空に向かうなだらかな稜線を描く真裏で、そのすぐ下には日陰の道がもたらされるデザインだ。日陰の道に据えられたベンチで涼みながらチャオプラヤー川を眺めることもできれば、スタジアム外野席のような日向の階段から遥か遠くを望むことも……。高層ビル群が織りなすスカイラインと、その手前に点在する川沿いの歴史的寺院のコントラスト。チャオプラヤー川に跨るこの空中庭園の上に立ちさえすれば、新旧双方のバンコクを余すところなく堪能できる。そんな仕掛けだ。何はなくとも大いなるチャオプラヤーの絶景と、それを一緒に眺める人さえいればそれでいい。そんな気分にさせてくれるランドスケープ・アーキテクト。入場無料で何とも豊かな気持ちにさせてくれる、バンコク都民の憩いの場。タイの人々は、このようなレストスペースを作るのが本当に上手だ。チャオプラヤー・スカイ・パーク(Chaophraya Sky Park)Phra Pok Klao Bridge, Phra Pok Klao Rd., Wang Burapha Phirom, Phra Nakhon, Bangkok 10200最寄り駅は、地下鉄サナームチャイ(Sanam Chai)駅OPEN: 5:00-20:00 Daily%3Ciframe%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.google.com%2Fmaps%2Fembed%3Fpb%3D!1m18!1m12!1m3!1d3875.6600268566463!2d100.49591197555114!3d13.739021297588318!2m3!1f0!2f0!3f0!3m2!1i1024!2i768!4f13.1!3m3!1m2!1s0x30e29907982e93f5%253A0xd7588f1bc92e13e0!2z44OB44Oj44Kq44OX44Op44Ok44O844O744K544Kr44Kk44OR44O844Kv!5e0!3m2!1sja!2sjp!4v1760209669601!5m2!1sja!2sjp%22%20width%3D%22600%22%20height%3D%22450%22%20style%3D%22border%3A0%3B%22%20allowfullscreen%3D%22%22%20loading%3D%22lazy%22%20referrerpolicy%3D%22no-referrer-when-downgrade%22%3E%3C%2Fiframe%3Eバンコク旧市街特集ページは↑バナーをクリック!