タイを走る観光列車の中で乾季(11月〜1月末)の風物詩として定着した、バンコク発ロッブリー県行きの日帰り列車が好評だ。ダム湖の上に敷かれた線路を走る姿が「まるで水に浮かんでいるよう」に見えることからタイ現地では「ロットファイ・ローイナム(รถไฟลอยน้ำ)」と呼ばれる。この時期に満開を迎えるロッブリー県の広大なひまわり畑とセットで楽しめることから、特に日本人の間では「ひまわり観光列車」の愛称でも知られている。11月~翌年1月末の土・日・祝日のみの催行となるが(年末年始はお休み)、2等エアコン車もOTOP座席車も、いずれも往復料金が一人当たり650バーツとお手頃で利用しやすい(※子ども料金は設定されておらず、子どもも大人と同額の運賃で乗車する)(※2025年までは620バーツだったが30バーツだけ値上げした)。車両が広大なダム湖の上を走る様子は「まるで水に浮かんでいるよう」湖ダムと並ぶ、もう一つの目的地「ロッブリーのひまわり畑」湖ダム(パーサック・チョンラシット・ダム)、ひまわり畑、そして日本の古い鉄道車両「湖ダム」「ひまわり畑」この2点だけでもお得感が十分なうえに、この観光列車にはさらに大きな魅力がもう一つ付加されている。それは、「運が良ければ日本でのお勤めを終えた、JRからの譲渡車両と再会できる」こと。これだけキャッチーなセールスポイントが3つもあれば、人気が沸騰するのも当然だろう。タイ現地鉄道ファンの間での人気がタイ在住日本人にも飛び火し、日本からタイへ訪れる旅行者の皆さんにも知られる存在となって来た、今最も勢いのあるタイ観光コンテンツ。さらに人気が増してプレミア化する前に(ちなみに現時点でもすでにチケット入手が困難となりつつある)、“一粒で三度おいしい”この体験をご紹介しておきたい。以下に催行スケジュール、チケットの購入方法と、旅の見どころをまとめてみる。※下写真の車両はこの観光列車に使用される車両の一例タイ国鉄がJR西日本から譲り受けた14系客車をタイ国内でリノベーション観光列車を力強く牽引するタイ国鉄の電気式ディーゼル機関車「HID型 4518号機」は1990年代に日立製作所が製造2026-2027年シーズンの催行日一覧と料金、運行時刻表2026-2027年乾季のひまわり観光列車の催行日と料金、運行時刻表を以下に記す。バンコク~パーサック・チョンラシット・ダム往復観光列車(ひまわり観光列車)2026-2027年シーズン催行日「ひまわり観光列車」の催行日(土・日・祝日)2026年11月7-8日、14-15日、21-22日、28-29日2026年12月5-6-7日、10日、12-13日、19-20日、26-27日2027年1月9-10日、16-17日、23-24日、30-31日バンコク~パーサック・チョンラシット・ダム往復観光列車(ひまわり観光列車)料金料金/一人あたり3等普通車(扇風機)350バーツ2等エアコン車、OTOP座席車650バーツ片道運賃(ダム ➔ バンコク / 空席がある場合のみ)3等普通車:170バーツ2等エアコン・OTOP車:250バーツ水に浮かぶ列車(ひまわり観光列車)の運行時刻表午前6時にバンコク(フアランポーン駅)を発ち、パーサック・チョンラシット・ダムとひまわり畑を巡って、午後6時50分にフアランポーン駅まで帰って来る旅程、その運行時刻は下表のとおり。当記事冒頭の画像のように湖の上で記念撮影ができるのは、予定通りだと午前9時20分。午前10時35分から設けられているダム停車駅での観光タイムを利用して、ひまわり畑まで足を延ばすこととなる。往路(第921列車)時刻復路(第926列車)時刻バンコク(フアランポーン)発06:00パーサック・チョラシット・ダム発15:30サムセン06:21ケーンスアテン15:36ドンムアン06:48ケーンコイ16:12ランシット06:59サラブリー16:26アユタヤ07:37アユタヤ17:08サラブリー08:19ランシット17:48ケーンコイ08:31ドンムアン18:02ケーンスアテン09:03サムセン18:28ダム湖上ビューポイント着09:20バンコク(フアランポーン)着18:50コークサルーング駅(買い物)09:45ダム停車場着(観光タイム)10:35水に浮かぶ列車(ひまわり観光列車)旅のハイライトまずバンコクのフアランポーン駅を発つのが朝の6時。「タイのことだからちょっと時間に遅れても大丈夫なのでは?」などと考えないこと。むしろ少し早めに到着するよう心がけよう。写真では3番ホームから列車が出発しているが、別のホームから出る日もある。客車の一例。タイ国鉄で長年主力として運用されている「エアコン付き2等昼夜兼用車(寝台車)」。通称ANS40(タイ語表記:บนท.ป.40=定員40名)と呼ばれる客車で、これは日本からの譲渡車両ではない。列車に乗れば、お楽しみは食事! 食堂車のカウンターにはタイ料理のお弁当やパンなどの軽食類の他、コーヒーや紅茶、抹茶などのドリンクが並んでいる。日本でこの手の長距離列車に乗れば必ずビールを飲みたがるおじさんがいるが、タイの列車はお酒の持ち込みが禁じられているので、その点はご注意を(※過去、酔客が車内で凶悪事件を起こして以来の措置)。買った食べ物は食堂車でそのままいただくも良し、自分の席に持って帰るも良し。この写真の食堂車に冷房はないが、独特の旅情の中で窓からの風に吹かれて摂る食事もなかなか楽しい。時刻表通りに旅が進めば、朝9時20分にダム湖(パーサック・チョンラシット・ダム)に到着。湖の上で20分間ほど停車時間が設けられているので、その間に列車を降り、線路の上での記念撮影を楽しむ。時期によってダムの水位は異なるが、雨季の直後はかなり水位が高くなり、そんな日には特に水面が間近に迫った特別な一枚を撮影できる。その後、湖の先にあるコークサルーング駅でもう一度停車。コークサルーング駅での停車時間は約30分ほど。好奇心旺盛な方は、駅のホームで販売されている地元のお母さんたちの手作り感あふれる料理に挑戦してみよう(もちろん有料、だが安い!)。予定通りに進めば、コークサルーング駅を出て湖の方面に戻る列車は午前10時35分にパーサック・チョンラシット・ダム停車場に到着。ここで約5時間の自由時間が設けられ、その間にロッブリー名物のひまわり畑などを周遊することとなる。以下に紹介するコースはほんの一例で、あまり無理に多くの要素を詰め込まなかった場合の言わば「のんびりコース」だ。この他にパーサック・チョンラシット名物の白い仏像などを見て回る周遊バス(30バーツ)を利用する手もある。また現地では「すぐ近くに水族館があるぞ」という誘いの声なども聞いた。5時間もの自由時間が与えられているので、本人の旅にかける情熱次第では付近の名所を片っ端から回ることもできるはずだ。この日はひまわり畑行きの往復70バーツの乗り合いバンを利用した。周囲の人の流れに乗って、写真のような表示が掲げられている場所でチケットを購入。乗り合いバンには写真のような車が利用されている。乗り合いバンが道の駅のような場所へたどり着くので、そこからひまわり畑までは写真のようなゴルフカートに乗ることになった。こちらの運賃は20バーツ。ひまわり畑の脇には開花時期が重なるキバナコスモス(ドーク・ダオクグラジャイ/ดอกดาวกระจาย)の畑などもあり、記念撮影時間がいくらあっても足りない。ひまわり畑を堪能した後、もう一度ゴルフカートに乗って、今度は写真のようなレストラン併設の「ライサップ・プラユーン」という植物農園へ移動。この植物農園の付近には湖沼があり、そこで長い桟橋を歩き回ったり…湖の上を走る列車(本数が少なく、たまに遭遇するのみ)を撮影してみたりしながら、どこまでも広がる青空の下でひたすらボンヤリしてみた。湖の風景を一通り楽しんだ後、農園のレストラン付近に停車している乗り合いバンに乗って、ダム停車場に戻る。列車がパーサック・チョラシット・ダム駅を発つのは午後3時30分。ここから復路に就き、バンコクのフアランポーン駅に帰ってきたのは午後6時50分だった。チケット購入にはタイ国鉄サイト「D-Ticket」が便利水に浮かぶ列車(ひまわり観光列車)のチケット購入には、タイ国鉄の公式サイト・サービス「D-Ticket」を利用すると良い。予約する前にアカウント登録(Register)が必要で、氏名、パスポート番号、支払用クレジットカード番号などを入力することとなる。以下のサイトリンクをクリックするとまずタイ語のページに移動するので一瞬戸惑うかもしれないが、落ち着いて画面右上のプルダウンメニューで「タイ語(ไทย)」→「英語(English)」に切り替えよう。冷静に操作すれば、さほどむずかしくはない。以下にいくつか注意すべき点をまとめてみた。➡タイ国鉄公式サイト「D-Ticket」サービス(タイ語・英語)【①メニューの選択】「Exploring Thailand by Train」を探す 観光列車(Excursion Train)は、通常のルート検索ではなく、サイト内の専用バナーやメニューから選択する必要がある。まずはトップページの「Exploring Thailand by Train」という項目から「KEUN PASUK CHOLLASIT」のコースを選択する。【②クラスの選択】2等エアコン車・OTOP座席車か3等普通車か客車のクラスを選択する画面に移動する。客車クラスの選択肢には以下の4つがあり、子ども料金が設定されていないので各クラスとも「Adult」のみ。「2等エアコン座席車(Seating Coach 2nd Class/Air Coach)」(650バーツ)「2等エアコン寝台車(Sleeping Coach 2nd Class/Air Coach)」(650バーツ)「OTOP座席車(Seating Coach 1st Class / Air Coach)」(650バーツ)「3等普通座席車(Seating Coach 3rd Class / Fan Coach)」(350バーツ)注意すべきは本ツアーの広告などで「OTOP座席車」と記されているクラスは予約画面で「Seating Coach 1st Class」と記されている点。その他、日本からの譲渡車両に乗りたい場合には、2等エアコン寝台車を選択すれば使用車両の欄に「บนท.ป. JR26」と記されているので、これを選べばよい(※2026年10月中旬時点ではこのようになっているが、使用車両は随時変わっていくので注意が必要)。「บนท.ป. JR26」と表示されている号車はJR西日本で寝台特急(ブルートレイン)や急行列車として活躍していた14系・24系客車がベースとなっている。【③日程の選択】利用する催行日を選ぶ以下の画面から観光列車に乗車する催行日を選択する。予約ができるのは催行日の90日前から。日程を選択した後に画面の下半分のメニューから「往路の乗車駅」「客車の種類」「利用人数」を選択する。この画面右下の「Book a Ticket」ボタンを押した段階で、登録したログイン情報の入力が求められる。もし座席に余りがなければログイン情報入力後に売切れの表示が出る。その場合はまた日程の選択からやり直しだ。ひとつ前の画面で2等エアコン寝台車を選択したところ、画面最下段の使用車両欄に「บนท.ป. JR26」と記されている。この号車はJR西日本で寝台特急(ブルートレイン)や急行列車として活躍していた14系・24系客車がベース【④性別を選択】座席指定前の性別確認次の画面で座席指定をする前に、自分の性別を申告する画面。【⑤座席を選択】車両内の希望場所を指定現在の予約状況が表示されるので、空いている座席の中から希望する場所を指定することになるのだが、すでに埋まっている座席にはそれぞれの性別が示される設定となっている。ちなみにパーサック・チョンラシット・ダム行きの観光列車の場合は、進行方向に向かって右側の座席の方が窓の外の眺めが良いとされている。この画面の設定を終え「Next」ボタンを押せば、あとは予約内容や個人情報の確認画面に切り替わり、さらに支払い手続きへと進んで行く。実はさらに高級車両を使用したひまわり観光列車「ロイヤルブロッサム号」も!今回ご紹介したパーサック・チョンラシット・ダム行きのひまわり観光列車には、2024年からさらなるラグジュアリー路線も誕生している。かつてJR北海道で運行されていた特急「はまなす」の車両をリノベーションした「SRTロイヤルブロッサム(SRT Royal Blossom)」。こちらを活用したひまわり観光列車は、朝食・昼食・車内での軽食(スイーツなど)、ドリンク、現地観光バス、ガイド、観光地の入場料、旅行保険などがセットになったフルサービスの日帰り旅行プランだ。運行時刻も通常のひまわり観光列車と異なり、ちょうど夕陽の美しい時間帯に湖の絶景を眺められるロマンチックなスケジュールとなっている。2026-2027年シーズンの料金はお一人2,599バーツとやや高額だが予約は大変困難。4名〜6名でシェア可能な15,999バーツの個室も人気だ。さらに今シーズンからは2,799〜2,999バーツで利用できる「Beyond Horizon」という上位クラスも新設された。すでにタイ国鉄「D-Ticket」サイトで情報が発出され、鉄道ファンの間で話題となっている。パーサック・チョンラシット・ダム(水に浮かぶ列車)5130 Manao Wan, Phatthana Nikhom District, Lopburi 15140%3Ciframe%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.google.com%2Fmaps%2Fembed%3Fpb%3D!1m18!1m12!1m3!1d3853.9975170432945!2d101.01995797580993!3d14.992843067351748!2m3!1f0!2f0!3f0!3m2!1i1024!2i768!4f13.1!3m3!1m2!1s0x311e73b7ea106645%253A0x7c98785162cebf76!2sFloating%2520Train%2520at%2520Pa%2520Sak%2520Jolasid%2520Dam!5e0!3m2!1sja!2sth!4v1766439852862!5m2!1sja!2sth%22%20width%3D%22600%22%20height%3D%22450%22%20style%3D%22border%3A0%3B%22%20allowfullscreen%3D%22%22%20loading%3D%22lazy%22%20referrerpolicy%3D%22no-referrer-when-downgrade%22%3E%3C%2Fiframe%3E