バンコクの夜を彩るシーナカリン鉄道市場(タラート・ナット・ロットファイ/Train Night Market Srinakarin)。その広大な敷地の中でも一際異彩を放つ一角は入場ゲートのすぐ近くにある。店の名はタイ語でトタンを意味する「サンガシー(Sungkasi)」。錆びたトタン板、色褪せたコカ・コーラの看板、そして天井を埋め尽くすケロシンランタン――。そこにあるのは、日本の昭和レトロにも通じる、どこか懐かしく温かい空気感だ。タイの人々が古き良き時代を思い出すこの聖地を訪れたら、ぜひ体験してほしいタイ流レトロ喫茶の作法がある。今ではやや希少になってしまったタイ喫茶の王道朝食メニューを以下にご紹介する。タイ流レトロ喫茶「サンガシー」はシーナカリン通りから400メートルほど東へ入った先、鉄道市場の入場ゲートすぐ脇にある。1. 実践ガイド:タイレトロ喫茶流・三大メニューの嗜み方ここに来たら、まずは以下写真の3点を注文しよう。それぞれがタイおよび東南アジアの古き良き喫茶文化、コピティアムを象徴するメニューとなっている。本来であればタイの古い街並みの中で朝食としていただくメニューだが、シーナカリン鉄道市場内にある当店の開店時刻は午後5時だ。従って、ここで我々の目の前に現れるのは「夜に食べる朝食セット」。これもまた異質な空間を生み出す鉄道市場ならではの体験と言えるだろう。① 滋養強壮の一杯「カイルアック(半熟卵)」グラスに入った半熟卵、カイルアック(35バーツ)。これをいただくにはタイ流の儀式がある。卓上のメッギー(シーズニングソース)を数滴垂らす。白コショウをたっぷり振る。スプーンで軽く黄身を崩し、一気にグイッと飲み干す。濃厚な黄身とソースの旨味が混ざり合い、体に活力がみなぎるのを感じるはず。② 濃厚なコクと甘み「オーリアン(タイの黒コーヒー)」大豆やトウモロコシと一緒に焙煎した香ばしいタイの伝統コーヒー、それがオーリアン。 サンガシーのロゴが入った紙ホルダーと、厚手のヴィンテージグラスが、その一杯を特別なものに変えてくれる。ホット・オーリアン(30バーツ)を注文するとこのように懐かしいホーロー皿に載ったセットが運ばれてくるので、お好みでショットグラスの中のザラメで甘味を足していく。 場合によってはオーリアンをタイミルクティーに変えるのもアリ! ホット・タイミルクティー(35バーツ)にはご覧の通りコンデンスミルクとコーヒーフレッシュの2つのショットグラスが付いてくる。もちろんおススメは甘ったるいコンデンスミルク。ちなみに焼きトーストをオーダーする際には、こちらもコンデンスミルクをたっぷり塗りたくったものがおススメだ。エアコンが行き届いていなかったかつてのタイで、4月と5月の猛暑をしのぐには、これくらい糖分を摂取しているくらいでちょうど良かったのかもしれない。③ フライパンの上の小宇宙「カイガタ」アルミの小鍋で焼かれた目玉焼きに、タイのソーセージ、クンチアンや、ベトナムソーセージのムーヨー、そして挽肉炒めが躍るにぎやかな一品。それがタイ朝食の不動の4番バッターこと、カイガタ(75バーツ)だ。これを食べる時にもカリカリに焼かれたトーストを注文し、黄身にディップして食べるのが至福と言えよう。当店のカイガタはアルミの小鍋を使用していないのだが、その分ホーローのトレイが見た目の美しさを補完してくれている。また、タイの人々が大好きなカニカマが乗っているところもポイントが高い。まさに芸術的なカイガタに仕上がっている。2. 楽しみ方のヒント:味の決め手は「卓上セット」タイ流レトロ喫茶のテーブルには、必ずと言っていいほど「メッギー(シーズニングソース)」と、親指を立てたロゴでお馴染み「グアン・スーン」ブランドの白コショウが置かれている。これらを自分好みに調合して、自分だけの味を完成させる。このプロセスの自由さこそが、タイ朝食の醍醐味だ。真っ白なカイルアックをメッギーで自分好みに着色する一瞬に、その一日の運勢が決まると言っても過言ではない。朝一番、ロッキー・バルボアよろしくグラスで生卵を飲み干す行為こそが、タイ人労働者たちを栄光へと導く気高い一歩……とまで言うとさすがにいかがなものかと思うが、とにかくメッギーとグアン・スーンの白コショウはタイフードに欠かせない魔法のシーズニングなのだ。ぜひその存在を覚えておいてほしい。タイ旅行が終わった瞬間に忘れると思うけど。3. 食べる博物館。オーナーの「ヴィンテージ魂」に浸るサンガシーの店内は、単なる“レトロ風”ではない。オーナーが長年かけて収集した本物の生活骨董が所狭しと並ぶ、ここはまさに「生きた博物館」だ。今となってはもう知る人も少ないが、鉄道市場がまだシーナカリンの地へ移転してくる以前、チャトチャック区のタイ国鉄線路脇で開かれていた時代からの、いわば数少ない鉄道市場“初期メン”としての顔を持つ。鉄道市場オーナーとの交流も長く、マーケット内で一番いい場所で店を開いているのも彼らの間柄の深さを反映している。タイ・ヴィンテージへの造詣の深さも相当なもので、店内インテリアの端々に本物へのこだわりが見て取れる。Instagram用の写真を撮影する若者たちが後を絶たない当店の魅力を以下にいくつか紹介してみたい。タキアン・チャオパユ(ケロシンランタン): 天井から吊るされた膨大な数のランタン。懐かしのパッケージ: 数十年前のタイで流通していた洗剤や薬品の缶。日本のサブカルチャー: 1980年代、タイの子供たちを熱狂させた日本のアニメキャラの玩具たち。これら一つひとつが、タイが急速に近代化する中で大切に守られてきた歴史の断片。シーナカリン鉄道市場を訪れる際には、タイ流レトロ喫茶の魅力をぜひ味わってみよう! 本稿で紹介しきれなかったタイの古風なアイスクリーム(カボチャ、小豆、ココナッツなどをトッピングする)など、タイ文化の奥深さを味わえるメニューがまだまだたくさんあるので。サンガシー(Sungkasi)Train Night Market Srinakarin, Nong Bon, Prawet, Bangkok 10250最寄り駅は、MRTイエローライン・ラマ9世公園(Suan Luang Rama 9)駅OPEN: 17:00-0:00 (Thu-Sun) Closed on Mon-Wed%3Ciframe%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.google.com%2Fmaps%2Fembed%3Fpb%3D!1m18!1m12!1m3!1d969.1075685572064!2d100.65050415943828!3d13.692370363620446!2m3!1f0!2f0!3f0!3m2!1i1024!2i768!4f13.1!3m3!1m2!1s0x311d61a081bed95d%253A0xc9f545d20e21f4fe!2z4Lij4LmJ4Liy4LiZ4Liq4Lix4LiH4LiB4Liw4Liq4Li1!5e0!3m2!1sja!2sth!4v1773382907171!5m2!1sja!2sth%22%20width%3D%22600%22%20height%3D%22450%22%20style%3D%22border%3A0%3B%22%20allowfullscreen%3D%22%22%20loading%3D%22lazy%22%20referrerpolicy%3D%22no-referrer-when-downgrade%22%3E%3C%2Fiframe%3Eシーナカリン鉄道市場・完全攻略ガイドのページは↑バナーをクリック!