バカにするつもりなど毛頭ないのだけど、その豪快さについ驚いて笑ってしまう。人間なのだから私だってもちろんゲップはするけど、人前ではしないようにしている。家だとしちゃう。男性のことはよくわからないけど、大多数の女性が私と一緒なのではという予想は外れていたようです。同じ生理現象という括りでもおならは人前でしないから、タイは「ゲップはおならより失礼」らしい西洋の文化と逆なのかな。淑女たるものしとやかに。人前で大きなくしゃみやらゲップやらするなんてはしたない。恥ずべきことである。ついでに声を荒げたり感情を他人にぶつけることもよろしくない。でしゃばるのもいかがなものか。いつもにこにこ穏やかでやさしく、身なりに気を遣いつつ慎ましくあるべき。それが良い女性というものだ。──みたいな空気の中で育ち、わりと反抗して生きてきたつもりだったけれど、自分で思うより迎合していたのかもしれない。タイでも女性は飲酒や喫煙は良くないこととされ、肌を出すのもよろしくないし、マナーも男性より女性の方が厳しく教育されると聞いたけど、時代と共に変わって来てもいるよう。「ふつうのことだ」と言う彼女たちを見ていると、少なくとも私より自由に自然体で育ったんだろうなと感じる。ちなみに、「ふつうのことだ」と詰められた後は、日本人女性は違うんだねって一緒に笑ってくれる。多様な人々が暮らす国だからなのか、「違う」ことに寛容な気がする。例えば私がタイの礼儀作法を知らなかった時、間違えた時、彼らは責めたりしないで教えてくれた。笑うことはあってもバカにされることはなかった。タイ語もろくに喋れず、タイ人から見たらとんちんかんなことをする私を、異国に来てがんばっていてすごいねと褒めてくれた。今もそう。若かりし頃の私はお笑い番組が大好きで、今思えば他人の見た目や行動をバカにするようなネタでも笑っていたし、実生活でもそういった風潮があった。笑う側であり笑われる側だった。タイ人もなかなかきつい冗談を言って笑うけど、少なくとも私の周りには嘲笑する空気がない。それが今私はとても心地よい。自分の中の変化が、ウケ狙いでもなんでもないことを笑う罪悪感に通じるのだと思う。昔の私と今の私が違うように、未来の私も違うといいな。笑い上戸は治らなそうなので今後もまだしばらくは詰められると思うけど。その後は心地よく一緒に笑ってもらえる人でいたい。「ゆるぬりタイランド」全話一覧ページは↑バナーをクリック!➡「ゆるぬりタイランド」次のエピソードはこちら