仲の良い人の靴下に穴が開いているのを見つけたら、私も笑うと思う。でもきっと飛び出ている指に挨拶したり写真を撮ったりはしないので、彼らの瞬発力に驚いて笑った。タイで働くようになって殊更感じるようになったこと。「タイ人、冗談ばっかり言うな」何気ない会話に自然とインサートされるボケやツッコミ、毒舌の数々。まじめな話もすぐに冗談に上書きされて全然まじめが続かない。笑い上戸故まじめな話に関しては私もだいぶタイ人寄りなので、妙に親和性が高くて落ち着く。全体的に「まじめで冗談も言わない人」が少ない気がする。そして「死んでも笑いませんけど」みたいな人も一定数いて差がすごい。それから、彼らは基本的に仲が良い。腹の底では違う思いがあったとしても、一線を越えない限りは笑顔で会話をする。ひっそりとパワハラに涙するスタッフはいるし、陰で人をボロクソに言うこともあるけれど、そんな相手とも笑って話す。その仲の良さは「本当は嫌いだけど無理している」というより「この人は苦手だけど楽しい話は楽しい」みたいな感じなのでは、と見ていて感じる。これはしつこいぐらい言っているセリフだけれど、タイの人たちは物事を楽しむ能力が、その瞬発力が高い。彼らは困っている人や弱い人へ手を差し伸べる瞬発力が高い、と常々思っていたけど、そういったことだけではないのかも。考えて行動に移すより反射的に口や体が動くような、そんなイメージ。「この人は豚ばっかり食べる」と言われたスタッフにすかさず「何頭ぐらい食べるの?」と聞く、厳しいと評判の上司。「答えるの難しいな~、月一頭ぐらいかな」とかわいく答える部下。周りも笑い、彼らの口から自然に出てくるセリフのセンスに関心しつつ私も笑う。そんな場面が毎日のようにある。この空気感が大好き。毒にも薬にもならない会話を共有し笑うことは、心の栄養になる気がする。というか、実際に「笑うこと」は心身の健康に良い影響があると立証されているそうなので、そうに違いない。「微笑みの国」って言うのに、全然そんなことない! なんて話も聞きますが、私の経験から言うと微笑みの国の人たちは本当によく笑うし、何よりそんな人たちと一緒にいると自分もやたらと笑顔になる。拙いタイ語を褒められて嬉しいから始まり、冗談を言い合えるようになると楽しさが倍増する。彼らのくだらない話の盗み聞きもとても楽しい。更に健康になれたらこの上なく最高ですね。「ゆるぬりタイランド」全話一覧ページは↑バナーをクリック!➡「ゆるぬりタイランド」次のエピソードはこちら