ざっくりと説明すると、「ピー」は年上の総称、「ノーン」は年下の総称。それぞれに性別をつけることで兄や姉、妹や弟を指す言葉となり、これは親族や近しい他人に使うこともある。「ピーチャーイ(兄)」と紹介されたものの従兄弟だったり地元の中の良い先輩だったりして、この辺りで面倒くさがり日本代表の私は「なるほど?まぁいいか」と納得する。そして「ピーノーン」で「兄弟」という意味。用途が広い。他人、例えばお店の人や客を呼ぶ際は「ピー」「ノーン」の総称だけを使う。「兄弟」という言葉の影響なのか、個人的にこの呼び方は赤の他人に親近感を感じやすいと思う。名前も知らない他人に対し「あのー、すみません」と話しかけるより、「ピー」や「ノーン」と呼ぶ・呼ばれることでその人との距離がぐっと近くなったような感覚を覚える。タイ人は基本的に長くて難しい本名ではなくチューレン(ニックネーム)を使い、職場では年上の上司、または同僚を呼ぶ際に役職などはつけずに「ピー+チューレン」で呼ぶ。これも日本式の「名字+役職」よりだいぶ砕けて聞こえる。仲の良い上司や年上の同僚を突発的にポー(父)メー(母)などと呼ぶこともある。もう家族やないかい。私含む外国人はクン(さん)+名前。社長のみ「MD」等の役職呼びが一般的ではないだろうか。部下は基本チューレン呼び捨て。出会ったその日から呼び捨て。おお、と思ってしまう私がいたが、今はもう慣れた。新しいメンバーも雑談や昼食にもごく自然に参加するしさせるし、皆冗談ばかり言っていることも関係するのか、入社して2日もすればずいぶん前からいました?みたいな雰囲気になる。その馴染む速さにひたすら感心する。 距離感が近いということは、受け入れてるということだと思う。タイに来て驚いたことのひとつが、初対面だったり顔見知り程度の、外国人の私がいることが当たり前みたいな空気になること。その壁の無さ。もし立場が逆だったとして、自分が彼らのように振舞えるか?と言われたらちょっと想像できない。呼び捨てにされるのも、お店の人と冗談を言ったりからかわれたりするのも可笑しくて楽しい。タイ人同士のやり取りを眺めてるのもほっこりして好き。この国のなんだかよくわからないけど妙にでかい器と、近いようでそうでもない絶妙な距離感。ピーノーン文化と勝手に呼んでいるこのタイ文化の、この気やすい空気がなんか良いんですよ、ピー。「ゆるぬりタイランド」全話一覧ページは↑バナーをクリック!➡「ゆるぬりタイランド」次のエピソードはこちら