トマト祭りに参加したくてスペインに行ったことがあるぐらいにはお祭り好きなので、ソンクラーンが楽しくない訳がなかった。他人に水をかけるという、普段だったら怒られるであろう行為が無礼講のお祭り。ノンカイでは警官がターゲットとして大人気で、かけたいよね。わかる! と思った。ちなみにトマト祭りの方は地元では「バカが集まるお祭り」と言われているとか。わかる。ソンクラーンはサンスクリット語で「変化・移動」という意味の、太陽の軌道の新しい周期が始まる時期を祝う行事。仏像や仏塔、家族の年長者などの手に水を掛けてお清めをするというのが伝統的な風習で、水をかけることには「敬意を払う」という意味があるそう。それが道行く人と水を掛け合うお祭りに発展し、今やお祭り色の方が濃い気がするし、敬意を払って水をかけているのかも定かではない。あのベビーパウダーやタナカを水で溶いたものを顔に塗るのはどこから出てきたんだろう。水かけは楽しくて大好きだけど、メンソールのベビーパウダー攻撃と突如背中に入れられる氷水には慣れそうもない。タイを感じる、爆音で流れるあの陽気な音楽とアロハシャツ。水鉄砲を抱え踊る人々、楽しそうな子どもたち。笑顔も大洪水のあの雰囲気が大好きで、ソンクラーンは毎年人が集まるところへ出かけていた。転機が訪れたのはそう、水かけ祭りがタイから姿を消したコロナ禍である。水かけどころか一時期は外出も制限され、レストランで食事することも、伸びた髪の毛を切りに行くこともできなかった。遊具やレジャー施設はことごとく閉鎖され、全遊び盛りキッズとその親御さんが泣いた。「自由」がいとも簡単に奪われるものだったことに驚いた。そんな中、わたしが縋ったのがステイケーション。コロナ前だったら躊躇するようなホテルがお手頃になっていたし、他人と距離のある「ホテルでのんびり」は比較的あたたかい目で見守ってもらえた気がする。そして思った。リゾートホテルでのんびりするの最高やん、と。ごろごろしてプール行ってバスタブにゆっくり浸かってごろごろする。綺麗な景色に癒される。気がつけば隙あらばステイケーション。リゾートホテルが身近なの、タイ住みの特権ですよね。今年は4年ぶりに水かけが解禁。のんびりできそうなホテルを予約したけど、水鉄砲を新調しておでかけもしようか考え中です。張り切って参加派も、水かけは避けて静かに過ごす派も、楽しい休暇になりますように。Happy Songkran!!※編集部註 本稿は2023年4月初出の作品です「ゆるぬりタイランド」全話一覧ページは↑バナーをクリック!➡「ゆるぬりタイランド」次のエピソードはこちら