バンコクから海辺の街へ引っ越すことになりました。「いつか海の近くに住んでみたい」けど「いつか」っていつ? と思ったのと、このまま年齢を重ねれば重ねるほど、たいしたスキルも職歴もない中年は転職のハードルが上がっていく一方では? と思い至り、ダメ元で仕事を探したら転職が決まりまして。コロナ禍で思い知った「いつ何がどうなるかなんてわからない」を胸に、やってみたいことがやれそうならやっちゃおうと。そうしていつものごとくあまり考えずに県外転職を決めたらなかなかハードでした。「現状維持が一番ラク」って本当だ。なんとかなる。で生きていても思い通りになんていかないことだらけ。どう考えたってかつて下見もせずにタイ東北部の村に子連れ移住した時や、DVタイ人夫から昼逃げして何のアテもないバンコクに飛び込んだ時よりハードルは低いはずなのに、今回はなんだか笑っちゃうほどドキドキしてしまった。怖い、とすら思った。「生活を変える」ってもしかしたら、特に困ることのない安定した生活が長くなればなるほど難しくなるのかも。人間の心理っておもしろいなぁ、なんて急に客観的になってみたりもした。そんな訳で、もうすぐ慣れ親しんだ日常とのお別れです。バンコクへ来てから7年と半年くらい。バンコク市内での引っ越しは2回だから、住んだソイは3つ。それぞれにおいしい屋台や入口のバイタク、行きつけの美容院や床屋さんやコンビニなんかがあって、名前は知らないけど顔見知りで、目が合ったら挨拶したり笑顔の交換をする人たちがいた。家の前で遊んでいる子を見ていたのがきっかけで、縁もゆかりもないお宅に何度かお邪魔したこともある。毎日歩いたソイとも引っ越してしまえば接点はなくなってしまう。いつも「また遊びに来よう」とは思うのだけど、実際に引っ越してしまうとなかなか足を運べない。近いようで遠くなる。せわしない日々の中で恋しい思い出の場所になってゆく。そしてそんな風に、住んでいる通りに愛着が湧くのもなんだかいいなと思う。動き出したらまた色々となんとかなったりして、引っ越しを目前にした今はやっぱり海の近くでの生活が、新しい「現状維持」になるであろう生活が楽しみ。これから顔見知りになるのはどんな人たちだろう。数年後はどこで何をしているだろう。新しい場所でも、たまに昔を懐かしみながら「来てよかった」って、「上々だね!」って何気ない日々を楽しめてるといいな。「ゆるぬりタイランド」全話一覧ページは↑バナーをクリック!➡「ゆるぬりタイランド」次のエピソードはこちら