とても大事なのはわかっているけれど、思い返すと消防訓練や避難訓練をあまり真剣に受けたことがない気がする。大人になってから受けたこともあったようななかったような、記憶にも残っていない。子どもの頃に限って言えば「避難」先のグラウンドに生えた草を、綺麗に根っこから抜くのが好きでした。スポッと綺麗に抜けるととても気分が良くて、延々と草を引っこ抜く児童だった。会議室の外にも思い切り響き渡っているだろう「ラオスー!!」は、消防士さんにより幾度となく発せられて、みんな我先にと張り合って大声を出すのがなんとも新鮮で、感心しながら笑ったけど同じように声を張り上げることはできなかった。挙手して発言することもできず、グループに分けられて発表させられた時も、私はみんなが意見を交わすのをうんうんと聞いているだけだった。それはタイ語能力のせいだけではない。オフィスの人も現場の人も分け隔てなく議論し、発表する人を押しつけ合うこともない。前に出て発言するように言われても戸惑わない。ただこの場で与えられるだけのポイントが取れた時はイエーイと素直に喜ぶ。数人ずつ前に出て半裸の人形に心臓マッサージをする時も、「やる?」と聞かれて断ったのは私ひとりだった。心臓マッサージの数をみんなで数え、「上手~!」「それじゃ死んじゃうよ」なんて茶々を入れたり写真を撮ったり。始終感じたのは「この人たちは本当にすごく楽しそう」だった。これが彼らの自然体なんだろうなぁ。今この部屋にいるのが日本人だけだったらこんな風にはならないだろうな、なんて思った。「楽しそうな人たち」はもちろん会社だけではなくて今までも色んなところで見て来たし、私はとても好きなのだ。かわいいなぁって思わず笑顔になる。元気がもらえる。年末に開催されたムーバーンのクリスマスパーティでも、向かいに住む大家さんがうさぎの耳をつけて張り切っている姿がとても良かった。年齢や性別関係なく純粋に色々楽しめるのがいいよね。そして何より、楽しそうな人をバカにするような冷ややかな空気など無いのが最高に良い。タイに来てよかったと思うことはたくさんあるけれど、これも恩恵のひとつだと思ってる。大好きな「楽しそうな人」を特等席で見ていられる私はとてもラッキーだ。いいなぁと思いつつどうしても気恥ずかしさのようなものが前に出ちゃうんだけど、いつか一緒のテンションで楽しめるようになるかしら。「ゆるぬりタイランド」全話一覧ページは↑バナーをクリック!➡「ゆるぬりタイランド」次のエピソードはこちら