世の中に鶏を一羽入れる用のバッグがあるなんて知らなかった。地球は本当に大きくて広くて、私が生きてきた世界はそのほんの、ほんの一部。などと鶏バッグを壮大に語ってみる。タイの人たちはあるものでなんとかする力がすごい。DIY力が高いというか。修理も得意だと思う。買い替えた方が早い気がするものも諦めがつくまで修理する気がする。タイ人元夫も家の不具合に対応してくれたし、バイクもよく自分で修理していた。直らないこともあったけど。前回登場したトゥさんは、本職は虫売りだけどホームステイ先の修繕もしてくれていて、敷地内にある二階建ての離れもトゥさんが建てたと聞いて驚いた。本当かな。そんなあるものでなんとかしたり代用したり手作りしてしまう人たちが、既製品の鶏専用バッグを使っていることへのちょっとした違和感と、その斜め掛けのバッグのかわいらしさがなんとも言えず笑ってしまった。そのバッグに収納された鶏の命運を考えたら笑うのもどうかと思うのだけど。誕生日プレゼントに生きた鶏というのも新鮮だった。贈ったことも贈られたこともないタイプのプレゼント。「今日誕生日だろ。ほらこれ」と差し出される鶏を想像してまた笑みがこぼれた。「おー!ありがとな。一緒に食べよう」なんて会話をするのだろうか。などと得意の妄想が捗った。何より元夫の、当たり前のように「誕生日プレゼントだ」と言うところが良かった。きっと彼らにとっては特別なことではないからなのだろうけど、自分だったら、とつい考える。友人の誕生日に鶏をプレゼントすることを「恥ずかしい」と思ってしまいそうで、それってなんだかなぁと思うのだ。私のように軟弱な民は、仮に生きた鶏を贈られても困ってしまうというのも大きいだろうけど。飼育するスペースがあれば飼う、が精一杯で「よし捌いて食べよう」とはならない、もといなれない。「鶏が飼いたいな」と思っていた場合を除き「ありがとう!」ともなかなかならないだろう。故にプレゼントしよう、という発想にはきっとならない。価値観、環境、経験。どれもこれもが違いすぎる。違うからこそ微笑ましいとも思うんだろう。鶏バッグ、おそらく一生買うことはないけど妙に印象深い製品だった。気になる方はショッピングサイトで「กระเป๋าใส่ไก่ (鶏を入れる鞄)」を検索してみてください。よかったら。斜め掛けタイプの他にも手持ちタイプなどもありました。世界は広いですね。「ゆるぬりタイランド」全話一覧ページは↑バナーをクリック!➡「ゆるぬりタイランド」次のエピソードはこちら