なんだか信じ難いようであり、想像が容易くもあり。誰かが良い待遇で働いている話を聞けばやっぱり羨ましいと思うし、自分もそうなりたいと思う。けれど転職というものがその機会でもあるのは理解していても、羨ましいという感覚だけでは踏み出せない。外国人労働者であるが故のVISA問題を差し引いても難しい。想像が容易かったのは、タイ人と一緒に働いてみてボーナスの重要性がとても高いと感じたから。もちろん当たり前に基本給や手当も大事だけど、ボーナスの額に対する一喜一憂具合はまた別格であった。バンコクで働くタイ人の多くは地方出身者が多く、そういった人たちのほとんどは長期休暇は実家に帰る。家族へのお土産、親へお金をあげること、そういったことがとても大事な文化なのだと思う。年明けに限らずタイ人スタッフが急に辞めてしまうのはよくある話だけど、ボーナスをもらった後の帰省というのは大事なイベントでもあり、だからこそ色々と考えるきっかけになりやすいんだろうな。とはいえ「みんな辞めてしまう」なんてことは無いし、基本話が大きくなるところもタイ人らしい。ある日突然辞めたかと思えば「戻りたい」などとも言う。無断欠勤や給料の前借りを繰り返した上に借金を残したまま辞めたとしても「戻りたい」と言える強い心臓を持っている。ストレスが少なそうだなぁとは思うけど、とりあえずまた一緒には働きたくないなという複雑な気持ちになる。長期休暇明けに会えなくなる相手は職場の人間だけに留まらない。ソンクラーンや年末年始はいつもの屋台の姿が見えなくなる。時にそのまま二度と会えないこともあり、顔しか知らない間柄でもやっぱりさみしい。会えないかと思いきや久しぶりに再会できて、「もう来ないかと思った~!」なんて会話をすることもある。もしかして…と思った矢先に顔を見るとなんだか妙に嬉しかったりして。タイの人たちのこうなりたい、こうしたいという物事に対するフットワークの軽さ。生活を変えることに対するハードルの低さ。少なくとも日本人より、もとい私よりは軽くて低い。思いついたらやってみる、ダメだったらまたその時考える。「失敗しないように」と教育され、いつしかトライ&エラーが苦手になってしまった私たちより「今」を見ている。彼らを見ていると、最低限の危機管理は心がけつつもう少しピントを「今」に合わせてもいいのかな、なんて思ったりする。「ゆるぬりタイランド」全話一覧ページは↑バナーをクリック!➡「ゆるぬりタイランド」次のエピソードはこちら