生理用ナプキンと言えば、前の職場でも休憩室のテーブルにポンと置かれていたことがあった。私が焦って誰の物かスタッフに確認すると、通りかかった別のスタッフから「使おうと思って忘れてた〜(笑)」という朗らかな返答があった。そのテーブルでくつろいでいた男性スタッフもさして変な顔をすることもなく、焦っているのは私だけで、これはなんてことない事なのだと肌で感じた。軽いカルチャーショックであった。日本ではそんなことはないのかと言えばそんなことはない。私は女子高出身だが、誰かが「ナプキン貸して」と言えば教室内でナプキンが宙を舞った。暑い夏はスカートの中を下敷きで扇ぎ、体育祭ではみんな気でも狂ったかのように声を張り上げてマイムマイムを踊った。とにかく楽しい学生生活だった。過度に「女らしさ」や「恥じらい」を求められないあの女だらけの空間はとても心地が良かったし、タイの気楽さはなんだか少しあれに似ている。タイでは、なのか他の国もなのかはわからないけど、お店でナプキンを買ってもあの茶色い紙袋には入れてくれない。食料品と一緒にそのままポンとビニール袋に入れられる。はじめてタイでナプキンを購入した時は、裸のナプキンに「おお」となった。タイに移住してからというもの、当たり前だと思っていたことがそうではないのだと気づくことばかり。スーパーやコンビニでビニール袋がもらえなくなった当初、ナプキンだけを買ったら当たり前のようにそのまま渡されたことがある。バッグに入れてもはみ出してしまうのでそのまま手に持ってバンコクのスクンビット通りを歩いた。よもや手に裸のナプキンを持って往来を闊歩する日が来ようとは、茶色い紙袋文化の中で生きていた当初の私が知ったらびっくりするだろう。そして何より、恥じらう必要がないことを「羨ましい」と思ったことにびっくりするだろう。男性の前では特に隠すべきものというのが当たり前で、そうじゃない世界があることすら知らなかった私。タイ人女子は誰の前でも生理の話をするし、うんこが出ることまで教えてくれる。でかいゲップも思い切りするし、鼻水が出れば鼻にティッシュを詰める。周りもわははと笑うことはあっても特段気にしない。これらはただの生理現象だから。「恥ずかしい」という感情は環境から生まれるんだろうね。うんこ申請やゲップ披露は別にしたくないけど、生理現象が嘲笑されず、気楽なのはとても心地良いです。「ゆるぬりタイランド」全話一覧ページは↑バナーをクリック!➡「ゆるぬりタイランド」次のエピソードはこちら