年末になると「今年もカゴ(グラチャオ)の季節だなぁ」と思う。年末以外にも重宝されているけれど、とりわけ年末のお歳暮として大活躍しているギフトセット。日本のお歳暮は大抵しっかり包装されていて開けないと中身がわからないけど、タイのグラチャオはドヤ!! と中身をアピールしていて、なんだか国民性を感じたりもしてしまう。この頃になるとスタッフの姿が度々見えなくなり、空いている部屋に籠ってみんなで忘年会用のくじや装飾品などを作っていたりする。文化祭の準備のようで懐かしい。タイ人がくじ好きなのは知っていたけど、グラチャオの中身も景品にするとは、きっと私では思いつかない。彼らを見ていると自分がなんだかスカした大人みたいに思えてくる。たいして年齢の変わらないスタッフも含めかわいいな、と顔がほころぶ。 私個人に関して言えば、ずっとプライベートではやり取りする機会のなかったグラチャオ。正直良さもわからなかった。サプリやインスタントコーヒーが並んでいても特段魅力的ではなかったし、嵩張るし値段もそこそこする。個人的な贈り物は綺麗に包装されたお菓子などで事足りていた。 転機は最後の引っ越し、つまり今借りている一軒家に引っ越した日だった。鍵を受け取って部屋に入ると、ダイニングテーブルの上に大きなグラチャオが鎮座し「Welcome」と書かれたカードが添えられていた。たくさんのフルーツ、お菓子にジュース、ウィスキー。初めて贈られたグラチャオの豪華さにも驚いたけれど、何より大家さんの気持ちが嬉しかった。グラチャオをもらうのって嬉しい! と、新たな発見をした瞬間だった。 とてもお世話になっている大家さんへお礼をするべく、先日私も人生で初めてグラチャオを購入した。そうして初めて、私は長い間「出来合いを買うもの」だと勘違いしていたことを知る。よく行くスーパーの店頭にはサプリが並んだ物しかなかったけど、店員さんに聞くと店内で好きな商品を選ぶように言われた。そう、カスタマイズが可能だったのだ。ふだんなら一品選ぶところが無制限。センスまで問われている気もする。あれこれ考えて選んだ商品たちを、あっという間に素敵なグラチャオに仕上げる店員さんの手際も見応えがあった。いつもの贈り物とは違う、スペシャルな感じ。贈る方の気持ちも買ってみて初めてわかる。 百聞は一見に如かず。お世話になったあの人に、贈ってみてはいかがでしょうか。「ゆるぬりタイランド」全話一覧ページは↑バナーをクリック!➡「ゆるぬりタイランド」次のエピソードはこちら