タイの人たちは夜と朝にシャワーを浴びる人が多い。夜に一日の汗を流し、朝は寝汗を流す。そしてベビーパウダーを振りかける。故に汗臭い人が少ないのかな? と思ったりするのだけど実際どうなのだろう。以前働いていた会社では「断水でシャワーが浴びられないので休みます」という欠勤理由に出会った。あまり馴染みのない欠勤の理由だったため「なるほど…?」と一瞬戸惑ってしまったけれど、それぐらいタイ人にとっては大事な身だしなみなのだろう、と納得した。コンビニでウェットティッシュ的なものでも買って顔や体を拭いて出勤すればいいのでは? なんてきっと野暮というもの。連載第15回でも触れたのだけど、タイ東北部の冬は本当に寒かった。朝晩は気温が10度台になる上に、家屋が涼しさを重視しているため日本より寒いのではと感じたほど。私はまだ行ったことはないけれど、北タイの冬はもっと寒いのではないだろうか。そして洗濯機と同様、給湯器もあまり普及していなかった。ローカルの一般家庭や手頃なアパートは水シャワーが主流だったため「冬は陽のあるうちにシャワーを浴びる」というのが一般常識だった。たしかにあの気温で朝晩の水シャワーは想像しただけでつらい。──と、私はタイの寒い冬を経験をしているのだから件のスタッフに共感できてもいいようなものだけど、基本的に日に一度しかシャワーを浴びない人生を送ってきたためか「一日に一回しかシャワーができない」というワードから「それは相当寒いね!!」とは繋がらず、習慣というのはずいぶん体と脳に沁みついているものなんだねぇ。「手がかじかんで」「耳が冷たくて痛くて」そんな言葉を聞いたら私の脳は瞬時に故郷秋田の冬の空気を思い起こし、「うわーめちゃくちゃ寒そう!!」となるんでしょう。先日、こんなこともあった。月曜の朝オフィスの給湯室に入ると異様な臭いが鼻についた。どうやら排水溝が原因だったらしいのだけど、私は「これは…まるで道に落ちてる銀杏の臭い!!」と感じた。その後出勤してきたタイ人が「臭!すごい臭い! ずっと洗ってない靴下の臭いがする!!」と騒いでいた。そんなの嗅いだことない。 育ってきた環境で感性ってずいぶん変わる。違う環境に飛び込むとその違いに戸惑ったりそれがおもしろかったりするし、いつの間にか自分の感性が変わっていることもある。日々の小さな発見は、未知の世界を楽しくしてくれるよね。「ゆるぬりタイランド」全話一覧ページは↑バナーをクリック!➡「ゆるぬりタイランド」次のエピソードはこちら