私がアプリ画面もとい口座残高を見せることを拒絶したのは何故だろう、と自己分析してみた。金額による? 残高が少ないことが恥ずかしかった? ではたくさん預金があったら見せる気になるだろうか?否。「ふつうは見せない」という「ふつう」が私の中にある。「他人のも見ない」も併せて在る。自然と身について沁み込んだ常識というやつだ。タイの人はお金に関してオープンだなと思う。もしかしたらタイの人だけではないのかもしれないけれど、少なくとも日本人に比べたらオープンだと感じる。屋台の店主との雑談で給与額を聞かれた時や、タクシーの運転手に行先であるコンドミニアムの家賃を聞かれた時の驚きはとても新鮮なものであったし、答えに詰まった。タイで働いている方はご存じかもしれないが、自分、もしくはどこかで入手した他人の給与額を社内の誰かに言ってしまうのもわりとあるあるで、給与計算をするのがタイ人スタッフという時点で「自分の給与額がリークされていなかったらラッキーだな」ぐらいの諦めがある。これも他の国なら無いという訳ではないだろうけど、もっと水面下で行われている気がする。タイ人も水面下のつもりかもしれないが。あっけらかん、という言葉が似合う国だなと思う。ところで彼女が勧めてくれたボーディングカードはたしかに便利だった。デビットカードとして使うには「VISAカードが使える店舗」という縛りがあったけど、だいたいのところで使えた。ショッピングモール内に出店しているお土産屋さんで使えなかったのと、地方だったため銀行のATMが地銀ばかりで現金を降ろすことができず、多少は両替して現金を用意するべきだったと後悔はしたけれど。都会なら現金ゼロで帰国しても完結できそうだなと思った。何よりあまり日本に帰らないせいでこういった情報にとても疎いので助かった。そして新しいものを使うのはなんだか楽しい。出張ではあったけど、タイ人と行く日本も楽しかった。外国人の目を通して見た日本の感想が新鮮で、街並みを見ているだけでも笑えたり気づかされたり、聞いていて飽きなかった。年齢と共に体力がなくなって、比例するように新しいことにわくわくする気持ちが減っている気がして、だからわくわくできるとなんだか嬉しい。ボーディングカードはタイ人と日本に行った思い出の品にもなった。きっと次に日本に行った時、カードを見てまた思い出すのだろう。それも楽しみ。「ゆるぬりタイランド」全話一覧ページは↑バナーをクリック!➡「ゆるぬりタイランド」次のエピソードはこちら