そういえば日本のレストランだってテーブルに調味料はあるし、ラーメンに胡椒をかけたりおろしニンニクを入れるのと一緒なのかな? と思ったけれど、それともちょっと違う気がしたのだ。なんというか、「ちょっと味を足す」というより「調理する」に近いというか。レストランで出てきたカレーライスにお酢やしょうゆをかけるみたいな、そんな感覚。調味料の主張がすごいからそう感じたのか、今となっては迷宮入りです。せっかく店主が作ってくれた料理の味を変えてしまうのは失礼なのではという遠慮があったのと、見慣れない調味料だったのと、タイ料理自体の味がだいぶしっかりしていたのと。それで私は当初カオマンガイのようなナムチム(タレ)をかけて食べる料理以外はそのまま食べていた。ガパオにかけるトウガラシを漬けたナンプラー(プリックナンプラー)から始まり、そのプリックナンプラーをかけてライムを絞ったカオパットにも、味付けしたジョークにも感動したし、「それは無いでしょ」と思っていたカイチアオにぶっかけられた鮮やかなオレンジ色のチリソースは、食べてみたらもう「チリソースのかかってないカイチアオなんてカイチアオじゃない!」までになった。でもやっぱり一番感動したのはクイッティアオだと思う。私の原点、ノンカイのクイッティアオ屋さんは基本的にガパオの葉っぱやインゲン、お店によってはキャベツやもやしも食べ放題。テーブルの上には必ずと言っていいほどガピ(エビ味噌)が置いてあり、インゲンやキャベツにガピをつけて齧りながらクイッティアオが出てくるのを待つ、バンコクでは出会えない今も恋しくなるスタイルだった。そして鎮座するオレンジ色のチリソース。大量の砂糖、同じくらい大量のトウガラシ、そしてチリソースをぶち込むスタイルは、わりと順応性のある私も未だに真似はできていないのだけど、自分好みの調味料の配分は確立できた。「そんなに調味料を入れるならどのお店でも同じ味になるのでは?」という疑問が愚問だったことにもすぐに気がついた。タイ人が美味しい、というお店はやっぱり違うし、タイ人で賑わっているお店もだいたい外れない。どんなに自分好みに味付けするとしてもベースはとても大事。日本にいた頃も好きだったタイ料理だけど、本場には未知の美味しいものがたくさんあったし、郷に従ったらもっともっと大好きになった。これからもどんどん探求したい所存です。「ゆるぬりタイランド」全話一覧ページは↑バナーをクリック!➡「ゆるぬりタイランド」次のエピソードはこちら