一瞬驚いて、思わず吹き出してしまった。少なくとも日本では経験のないガールズトーク。容姿や職業についてはあまり興味がなさそうなのも日本とは少し違う気がしたし、タイ人男性とのおつき合いに一抹の不安も感じた。恋愛話とはちょっと違うけど、もうひとつ驚いたことがある。ある日知り合いのタイ人が訪ねて来て、「これに名前や住所を書かないといけないけど、日本語が読めないからどこに何を書いたらいいのか教えてくれ」「日本にいる娘に送るんだ」と言う。手には日本語の書かれたハガキ。タイ語能力もさほどなかったので何も聞かずにOKすると、彼はにこりと笑って「イゾクネンキン」と言った。知ってるんだ!? となった。いや、もちろん娘さんが日本人と結婚して日本に住んでいたら知っていてもおかしくはないんだけど、タイの田舎の片隅で現地の人から聞く日本語が「イゾクネンキン」だったのが想定外だったというか。20代という若さで未亡人になってしまったらしい娘さんのことは、これまた深くは聞けなかった。タイは階級社会だ。田舎では「両親はバンコクで出稼ぎ、祖父母が実家でのびのびと孫を育てる」というケースが珍しくなく、それは良い面もそうでない面もある。無料の公立校で必死に勉強して進学し、安定した職につくための努力ができる子は稀で、多くは自由にのびのび育って最低賃金の仕事に就く。そういうループの中にいると、「金持ちの外国人を捕まえる」ことがそこから抜け出す唯一の手段になってしまうんですよと、当時の大家さんが言っていた。世の中はお金ではないけど今の社会で生きていくならあった方がいいのも事実。タイ人女性の逞しさというか、現実主義なところって環境も大きいのかもしれないなと思った10年前。バンコクではほんの数回だけど、ノンカイではタイ人女性に「日本人男性を紹介してくれ」「年寄りでもいい」と言われることが度々あった。会社のスタッフと雑談中そんな話になったので、「タイ人女性は日本人男性が好きなの?」と聞いたら、「ファラン(西洋人)の方が人気だと思う。生まれてくる子がかわいいし、英語も話せるようになるから」という返事が返ってきた。「日本人と結婚すると家政婦扱いされる」もわりと有名な様子。彼女たちを見ているといかにお金や時間を使ってくれるかが愛のバロメーターなのかなと感じることがある。もちろん人それぞれなんだろうけど、やっぱり逞しさのようなものを感じてしまうのでした。「ゆるぬりタイランド」全話一覧ページは↑バナーをクリック!➡「ゆるぬりタイランド」次のエピソードはこちら